◉◉◉ 俺たちはキチガイじゃねぇ!◉◉◉
夕方になり峠を抜けるとそこには、宝石をちりばめた池のように、キラキラと光り、周りは猛々しく連なる山々に囲まれ、そのくぼみにちいさな集落が『ポコン』とでてきた。


妹『うわ〜!』


兄『何だ?』


妹『うわ〜。』


兄『ナニ?』


妹『いや、綺麗なんだけど。そんなにウワーって言うほどでもないかなって。』


兄『アァ。何回か昔ワイン作りに来た事あるけどな、確かにそこまでじゃないな。』



運転手『うひょーっ!!社長さん!奈緒美さん!ほら!左を見てください!富士ヤーマン!!』


夕焼けがさしかかった富士は赤とオレンジに染まり、空には青と水色のグラデーションがとても綺麗に星や盆地を照らしていた。


妹『ほ〜綺麗ね〜』


兄『・・・』。



兄『おい。運転手!おまえ名前は?』


アイム『アイムです。』


兄『ハ?』


アイム『いや、アイム。IMですね。』


兄『なんだそれ?』


アイム『いや、音楽のネームっつうか、アイムっす!』



兄『じゃあおまえ、アイム、アイムって言うのか?』



アイム『あーっ!!・・・っすねー。確かに。』


兄『今のわかんなかった?』


アイム『知ってます!大丈夫です。英語っすよね!』



兄『もういい行け。どうせクビだ。』


妹『・・・』
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