◉◉◉ 俺たちはキチガイじゃねぇ!◉◉◉
テルは夕方になり町へと繰り出していた。

甲府の夕方は景色こそいいもの、若者達にとってはとても遊びずらい環境であった。

夜の9時と言えばもうシャッターは閉まり人も歩いてはいなかったのだ。

テルは甲府唯一のスクランブル交差点にあるコンビニの前で座っていた。

テル『なんかねぇかな〜。この街だきゃ〜よ〜?』

(パパ〜ン!!)

『お〜い!テル〜!』


信号待ちで女の子を物色中のレクサス LSに乗ったこの青年はテルの悪友ケーゴ。


ケーゴ『テル氏〜何やってんの〜いっちょ行きますか?』


テル『お〜!ケーゴ!ナイスタイミン!どこ行くの?』


ケーゴ『はぁ?女っしょ!合コンっしょ!!』


テル『あ〜。ごめん!誕生日なのにバイトクビになったんだよね。今月金ないわ〜』


ケーゴ『は?おまえ、いつもじゃん。俺がおごってやるよ!誕生日だろ?あっ!もーし!サワコ?…』


ケーゴは20歳で自分の会社をやっている。だが、昔とちっとも変わらない。


テル『やっぱり友達っていいよな持つべきものはケーゴってか!』


ケーゴ『は?女っしょ!女。サワコちゃん来るってよ!俺ちゃんと用意してっ…』




ケーゴ  『あっ!あぶねー!!』


     『パパパパー!!!!!』




テル『またかよ。』
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