たなごころ―[Berry's版(改)]
「鈴音さん。言わせて貰うわ」
「なっ、なによ。急に。言葉遣いまで変えて」
「貴方を、敬語を使うほどの人間じゃないと判断しただけのことよ。鈴音さん、箕浪さんを愛おしいと、取り戻したいと思うのなら。何故、手放したの?箕浪さんの心の傷を知っている貴方がどうして?離れても、簡単に取り戻せる自信があったから?貴方に依存していた箕浪さんなら、裏切りを許してくれると思ってたから?」
「……っ、貴方に何が分かるのよ!」
「分からないわよ。愛している人の愛を確かめるために、その人を傷つけて裏切る人の気持ちだなんて。わかりたくもないわ」
唇を噛み、悔しげに視線を返す鈴音を前に。笑実は大きく息を吐く。
「貴方と箕浪さんのことは、ふたりで話し合って解決すべきことでしょう。私が居ようと居まいと、関係ない問題のはずよ。全てをひとつに考えないで。それに、私がどうするかは、私が決めることよ。誰に指図されるつもりもないわ」
振り返ることなく、笑実はその場を後にした。
「なっ、なによ。急に。言葉遣いまで変えて」
「貴方を、敬語を使うほどの人間じゃないと判断しただけのことよ。鈴音さん、箕浪さんを愛おしいと、取り戻したいと思うのなら。何故、手放したの?箕浪さんの心の傷を知っている貴方がどうして?離れても、簡単に取り戻せる自信があったから?貴方に依存していた箕浪さんなら、裏切りを許してくれると思ってたから?」
「……っ、貴方に何が分かるのよ!」
「分からないわよ。愛している人の愛を確かめるために、その人を傷つけて裏切る人の気持ちだなんて。わかりたくもないわ」
唇を噛み、悔しげに視線を返す鈴音を前に。笑実は大きく息を吐く。
「貴方と箕浪さんのことは、ふたりで話し合って解決すべきことでしょう。私が居ようと居まいと、関係ない問題のはずよ。全てをひとつに考えないで。それに、私がどうするかは、私が決めることよ。誰に指図されるつもりもないわ」
振り返ることなく、笑実はその場を後にした。