たなごころ―[Berry's版(改)]
 笑実がそれに気付いたのは、程なくだ。背中を突き抜けるような快楽が、訪れてからであった。
 背後から回った箕浪の手が、笑実の臀部を通り、笑実の秘部に触れたのだ。笑実と箕浪の足が、交差するように絡み合っているために、笑実は反射的に足を閉じることが出来なかった。瞬間、蕩けるような甘い声と共に、笑実の白い喉が、箕浪の目前に晒される。堪えることなく、箕浪は誘われるままに。笑実の喉に唇を寄せる。跡が付かない程度に、歯を立てながら。
 笑実の秘部に這わせている指先で感じる、粘りのあるモノは、明らかにシャワーから流れている湯ではない。更に、自身の口角が上がるのを自覚しながら。箕浪はノズルを捻り、降り注いでいたシャワーを止めた。明らかに、上気し、潤いを増した笑実の眸を覗き込みながら。箕浪は分かりきっている答えを問う。

「ドロドロだ。キスだけで、感じた?」

 僅かな羞恥心を感じさせながらも、笑実は素直に頷く。蕩けそうな眸を閉じて。
 笑実の答えに、気をよくした箕浪は。秘部から一度手を離し、笑実の左足を掬い上げる。それを自身の右足に引っ掛けると。再び、笑実を快楽の海へと誘惑した。笑実の舌を吸い上げながら、蜜の滴る部位へ指を伸ばしたのだ。
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