たなごころ―[Berry's版(改)]
箕浪の指が、優しく撫で上げるたびに。笑実が上げる声は、箕浪の口腔内へと姿を消す。意図的であろう。箕浪の指が、笑実の中に入ることも。快楽の末に膨らんだ果実を掠めることもない。溜まらず、笑実はいじらしげな視線を箕浪へ向けた。箕浪の頬を両手で包み込んで。
強請るような笑実の視線に気付き、箕浪の片眉が上がる。
「そんな目で見るだけじゃなくて、言葉で教えろ」
「……いじわるしないでください」
今度は、笑実から箕浪の唇を奪った。箕浪の下唇に、傷つけない程度の僅かな力を込めた後。それは離れる。初めての、笑実からの口付けに。箕浪の頬がだらしなくも緩んだ。
自身の右足に掛けていた笑実の足を下ろし、箕浪は、腰を徐々に下げていった。両手は、笑実の背部の形を確かめるように。背中から、腰、臀部を撫でる。笑実の唇から離れたそれは、鎖骨にひとつ、右の乳房の下にひとつ。ついでのように、乳房に色づく蕾を見逃すことなく、口の中で転がしてから。更に箕浪の唇は落ちてゆく。臍の横にもひとつ。箕浪は紅い花を咲かせてゆく。期待からか、緊張からか。笑実の喉が小さくなった。
強請るような笑実の視線に気付き、箕浪の片眉が上がる。
「そんな目で見るだけじゃなくて、言葉で教えろ」
「……いじわるしないでください」
今度は、笑実から箕浪の唇を奪った。箕浪の下唇に、傷つけない程度の僅かな力を込めた後。それは離れる。初めての、笑実からの口付けに。箕浪の頬がだらしなくも緩んだ。
自身の右足に掛けていた笑実の足を下ろし、箕浪は、腰を徐々に下げていった。両手は、笑実の背部の形を確かめるように。背中から、腰、臀部を撫でる。笑実の唇から離れたそれは、鎖骨にひとつ、右の乳房の下にひとつ。ついでのように、乳房に色づく蕾を見逃すことなく、口の中で転がしてから。更に箕浪の唇は落ちてゆく。臍の横にもひとつ。箕浪は紅い花を咲かせてゆく。期待からか、緊張からか。笑実の喉が小さくなった。