たなごころ―[Berry's版(改)]
「ずっと、傍に居てくれるか?」
「――はい、約束します」

 笑実の返事をきっかけに、箕浪は自身を笑実の中へ埋めてゆく。ゆっくりと。蠕動運動を繰り返す笑実の内部を、味わうように。箕浪自身が通り抜けてゆく。突き抜ける快楽に、どちらからともなく。熱に浮かされたようなため息が零れていた。
 全部が入ったことを感じ、箕浪と笑実は額を合わせる。喜びを表現するかのように、箕浪を包み込み先ほどより大きく震える笑実の中に。箕浪は耐えるように動きを止めていた。それだけではない。まるで誂えたかのように、自身と合う笑実の内部。快楽だけではなく、心が歓喜に震えていた。それは、笑実とて同じで。言葉に出来ない思いが、姿を変え、笑実の頬を伝う。
 気付いた箕浪が、唇で吸い上げた。

「辛いか?」
「……幸せです」
「俺もだ」

 互いの背中へ腕を回し、強く抱きしめながら。至福の時に、ふたりは身を浸らせていた。だが、箕浪がゆっくりと腰を引いたことで。ことは動き始める。姿を消そうとする箕浪を寂しがるように、笑実の内部が大きく蠢いていた。
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