たなごころ―[Berry's版(改)]
 短く、高い声が、笑実の口から零れ始めた頃。箕浪の腰使いが激しさを増す。滴る汗が、箕浪の顎を伝い、笑実の頬に落ちる。一際、笑実の声が大きくなる場所を、箕浪は意図的に自身で貫く。
 憂いを増し、艶っぽい眸を向ける笑実を、箕浪は抱き起こした。自身の体重と言う作用が加わり。先ほどよりも、深さを増した互いの交わりは。苦痛に近いほどの、強烈な快楽を招く。箕浪の頭を引き寄せながら、笑実は小さく首を振っていた。
 目の前に揺れる蕾を、箕浪は堪らず口に含む。限界を迎えそうなのは、笑実も箕浪も同じであった。

「箕浪さん、私……もうっつ!」
「ああ、一緒に……」

 互いを強く抱きしめながら、ふたりは共に快楽の階段を一気に駆け上がっていった。


< 203 / 213 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop