たなごころ―[Berry's版(改)]
「何?今日はどうしたの?」
「実は、彼の連絡先をやっと聞けたの。ただ、携帯電話の番号を教えてもらえることが、こんなに嬉しいこととは思わなかったわ!」
照明がそれほど強くないこの店内でも、鈴音の眸は眩いまでに輝いていた。つられて、笑実の頬も緩む。一通り吐き出したことで落ち着きを取り戻したのか、鈴音は周囲を見渡してから、首を傾げた。
「ところで、箕浪さんは?」
「用事があるっていなくなった。直ぐに戻ってくるとは思うけれど……」
「喜多さんもいないの?」
「喜多さんは隣かも?」
最近になり分かったことが、笑実にはもうひとつあった。喜多が隣にあるシガーバーで、時間を潰していることだ。本社の仕事と、わにぶちでの探偵の仕事で忙しい身であるにも関わらず、喜多はシガーバーに居座っていることが少なくないらしい。探偵依頼の予約時間に喜多が姿を現さなく、笑実がシガーバーへ探しに駆け込むことが、数回あったことで漸く発覚したのだ。
「実は、彼の連絡先をやっと聞けたの。ただ、携帯電話の番号を教えてもらえることが、こんなに嬉しいこととは思わなかったわ!」
照明がそれほど強くないこの店内でも、鈴音の眸は眩いまでに輝いていた。つられて、笑実の頬も緩む。一通り吐き出したことで落ち着きを取り戻したのか、鈴音は周囲を見渡してから、首を傾げた。
「ところで、箕浪さんは?」
「用事があるっていなくなった。直ぐに戻ってくるとは思うけれど……」
「喜多さんもいないの?」
「喜多さんは隣かも?」
最近になり分かったことが、笑実にはもうひとつあった。喜多が隣にあるシガーバーで、時間を潰していることだ。本社の仕事と、わにぶちでの探偵の仕事で忙しい身であるにも関わらず、喜多はシガーバーに居座っていることが少なくないらしい。探偵依頼の予約時間に喜多が姿を現さなく、笑実がシガーバーへ探しに駆け込むことが、数回あったことで漸く発覚したのだ。