たなごころ―[Berry's版(改)]
「『寝室へ』……なに、これ?」
笑実の呟きに答えることはなく、鈴音はひとり納得したように小さく頷きを繰り返す。手紙を手に、首を傾げる笑実の腕を取って。ふたりは寝室へと向かった。
ドアを開け、それは直ぐに笑実の目に飛び込んできた。ベッドの上に置かれた大きな白い箱。鈴音に背中を押され、笑実は箱に手を伸ばす。
箱の蓋を開け、動きを止めてしまった笑実の背中に向かって。鈴音が声を掛ける。
「お店は私に任せて。早く行ってあげて」
※※※※※※
小さくもカラフルな窓と、烏のプレートが目印のドアを、笑実は思い切りよく押し開ける。息を弾ませ現れた笑実を前に、動揺することもなく。顔見知りであるオーナーは2階を指差した。会釈を返し、笑実は失礼を承知で2階へ駆け出す。両手一杯に荷物を抱えたままに。階段を駆け上がり、ロフト状になっている2階に辿り着くと。
ソファーに座る、箕浪の姿を視界に捉えた。笑実の姿を認め、箕浪の眸が細くなる。息を整える暇もなく、箕浪の前に立ったままで笑実は問う。
笑実の呟きに答えることはなく、鈴音はひとり納得したように小さく頷きを繰り返す。手紙を手に、首を傾げる笑実の腕を取って。ふたりは寝室へと向かった。
ドアを開け、それは直ぐに笑実の目に飛び込んできた。ベッドの上に置かれた大きな白い箱。鈴音に背中を押され、笑実は箱に手を伸ばす。
箱の蓋を開け、動きを止めてしまった笑実の背中に向かって。鈴音が声を掛ける。
「お店は私に任せて。早く行ってあげて」
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小さくもカラフルな窓と、烏のプレートが目印のドアを、笑実は思い切りよく押し開ける。息を弾ませ現れた笑実を前に、動揺することもなく。顔見知りであるオーナーは2階を指差した。会釈を返し、笑実は失礼を承知で2階へ駆け出す。両手一杯に荷物を抱えたままに。階段を駆け上がり、ロフト状になっている2階に辿り着くと。
ソファーに座る、箕浪の姿を視界に捉えた。笑実の姿を認め、箕浪の眸が細くなる。息を整える暇もなく、箕浪の前に立ったままで笑実は問う。