たなごころ―[Berry's版(改)]
突然ブラインドが上がった。驚き、笑実は一歩身体を後退させる。目の前には、不満そうな顔を隠そうともしない箕浪が立っていた。カップを手にした箕波が、隔てられているガラスの壁にあるドアを開く。気だるそうに、ドアに身体を預けて。
「あんたさ、日本語が分からないとか?認めてないって言ってるだろう?さっさと帰れよ」
「……居るだけでも役に立つと思います。1階の店舗に人が居ないと、お客さんが来ても分からないんじゃないですか」
「……入り口にセンサーがあるから問題ない」
「なるほど。それじゃあ……」
笑実の言葉を聞こうともせず、箕浪は彼女の目の前を横切り、ソファーへ腰を下ろす。カップに口を付け、一口流し込んでから。口角を上げる。
「あんた。何ヶ国語話せるの?」
「……日本語だけですけど」
「ああ、やっぱり。日本語も不自由そうだけれどね。大学は?」
「……卒業大学とか外国語とか。古本屋や貸本屋で勤務するにあたって関係あるんですか」
小さな音と共に、カップをテーブルに置いた箕浪は。大きく足を組みかえる。あからさまな態度に、笑実は顔を顰めた。
「あんたさ、日本語が分からないとか?認めてないって言ってるだろう?さっさと帰れよ」
「……居るだけでも役に立つと思います。1階の店舗に人が居ないと、お客さんが来ても分からないんじゃないですか」
「……入り口にセンサーがあるから問題ない」
「なるほど。それじゃあ……」
笑実の言葉を聞こうともせず、箕浪は彼女の目の前を横切り、ソファーへ腰を下ろす。カップに口を付け、一口流し込んでから。口角を上げる。
「あんた。何ヶ国語話せるの?」
「……日本語だけですけど」
「ああ、やっぱり。日本語も不自由そうだけれどね。大学は?」
「……卒業大学とか外国語とか。古本屋や貸本屋で勤務するにあたって関係あるんですか」
小さな音と共に、カップをテーブルに置いた箕浪は。大きく足を組みかえる。あからさまな態度に、笑実は顔を顰めた。