男装少女の恋物語
「政宗!政宗!」
(……誰?)
目を開けると、上條先輩の整った顔が目を入った。
「…………っ(近いっ!)」
「よかった、政宗が生きてて。」
「生きててって大袈裟な……ごほっごほっ」
「無理すんな。寝てろ。」
上條先輩が地面に優しく寝かせてくれる。
「ここは?」
「どっかの岩ん中」
「そうか」
どうやら、漫画みたいなことになっているみたいだ。まぁ、みた感じは男子と男子なんだけど。
「おい、政宗。脱げ」
「は?」
何を言い出すんだ。
女遊びがひどいのは知ってるけど
そっち系にも目覚めてしまったの!?
「オイコラ、ばっちり聞こえてんぞ」
「え!?マジで!?」
「あぁ。言っとくが俺はそっち系に目覚め訳じゃねーぞ?女遊びがひでーのは否定しないけどな」
「しまった……!」
全部声に出てたなんて……
「て、ことで脱げ。」
「いやだ!」
「風邪引かれちゃ困るんだよ!」
「…………」
良からぬことでは無かったけど、
女だってバレたら困る……!
「その上のパーカーを脱げ!」
「嫌だね!」
「んなら……」
ドサッ
あれ、なんか世界が反転してるんですが。
なんで先輩が上に見えるんですが。
なんですか、これは。
「俺は男とヤったことはねーけど、素直にさせる方法は知ってるぜ」
おい、待て。
なんですか、これは。
どっちに転んでも女だってバレるじゃないですか!
「で、脱ぐの?脱がないの?」
「ぬ、脱がない!」
「ふーん。じゃあ、俺が脱がしてやるよ」
先輩がニッコリと微笑む。
終わった……
いろいろと。
ジッ……
チャックが下ろされる。
「…………っ!」
「包帯?」
ぐっ……
先輩が軽く包帯を引っ張る。
「んっ……」
「お前、女か?」
……バレた。
最悪だ。
ホント、どうしよう……
「そう、女、だよ。悪かったな、女で。」
「悪い……」
「いや、仕方ないよ。今までバレなかったのが奇跡に近いんだし。」
もう、いいかな……