君のいた夏を僕は忘れない
「真尋~」
こっちにもガキがいた。
笑顔で手を振ってくる高2、宮島春樹。
こいつは、数少ない俺の友達。
ハルになら心を許せる。
「真尋、今日小テストだって」
「まじで?...ハル教えて」
知らねえよ、そんなもん。
それに絶対と言っていいほど、赤点取る自信がある。
「いいよ~、教室行くか」
「...うん」
そう言って、ハルと揃って教室に入った。
ハルは俺よりデカくて、頭良くて普通にイケメン。
それに、学年で1番かわいいって言われている彼女もいる。
HRまでの少しの時間、数学を教えてもらった。
ハルの言ったところをやれば俺なら20点くらい上がる。
もともと俺が低いのもあるけど、
ハルの教え方はそこらの塾講師よりも
上手いんじゃないかと思っている。
HRの最中もずっと教科書とにらめっこをした。
で、それで臨んだ小テスト。
結果は....察してくれ。
数学しかできなかった。
ハルは苦笑いで、先生にはまたか、みたいな目で見られるし。
まぁ、しょうがないか。
慣れてるし、大丈夫。
20点以下は明後日の放課後、学習室にて補習。
もちろん俺はそれに当てはまったが、
その日は撮影入ってるしラッキーと言えばラッキーだろう。
溜息を吐いて、机にうなだれた。