キアギス 続
「あんたの…あんたの仕業か!!?」

柚は見えないはずの神様に向かって叫んだ。

「もう、耐えれない」

そう言って柚は硝子が刺さったままのグロープをはめた。

そして、何も言わずにその場から姿を消した。

「柚!!柚!?」

「…大変だ」

神様は顔面蒼白で何処かへ消えてしまった。

「どうなってんだ…?」


一方柚は…

「あんたがダーテ?」

「あぁ」

「俺を…仲間にしてくれないか?」

「…信用出来ないって言ったら?」

「もう後戻りは出来ない。此処に居座る」

「分かった。仲間として受け入れよう、柚」

柚はダーテの所に出向き仲間になっていた。

「しかし、ダーテって女だったんだ…」

そうダーテは絶世の美女と言っても良いほどに美しい女だった。

「柚。お前の忠誠心を試したい。今から紗月の元へ行き、ダーテの仲間になったと伝えて来い」

「ダーテ様の身心のままに…」

そう言って柚はダーテの元を去った。



しばらくして…

「兄さんとは縁を切った方が良いみたいだな…」

と、柚は一人で喋りながら紗月の元へ向かった。

紗月のいる場所は遠く、往復を魔法ですると魔力がもたない。

だから、大部分は歩き。

「!」

目の前に魔法陣が現れ、紗月が出て来た。

「兄さん…?」

「…柚」

紗月もこちらに気が付いたようだが警戒しているのか、柚には近寄ろうとしなかった。

「義兄さん。俺、ダーテと組むよ。義兄さんとは縁を切りに来た」

「柚?何言ってんだよ!?何があってもこの縁だけは切らないって言ったじゃんか!!」

「あぁ、そうだね。じゃあね」

そう言って、柚は後ろを向き、歩き始めた。

「柚!こんな…こんな別れしかなかったのか?」

「…さようなら」
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