キアギス 続
「あー…。」

紗月は避けようとせず、直撃した。

「我が恐ろしさが分かったか!?」

「イッテー。これ、死なないけど痛みはきちんとあのか」

「さて、もう五・六っ発行くか?」

「ごめんなさい。勘弁してくれ…いや、勘弁してください」

「うむ、流石に今のは一発が限度だ」

「なんだ。なら、謝って損したじゃん」

紗月は肩をすくめて言った。

「貴様は柚と言う止め具が無いと、何処までも暴走するらしいな…。柚に代わる新しいパートナーでもいるか?」

「いらない。俺の『縛り』が相手を不幸にするだけだ。柚には悪い事した。耐え切れなかったんだな…」

「縛り…か。悪い事をした。俺が誤って付けてしまった縛り…だよな。…悪い。俺が間違えて…」

「いや、俺は気にしてないし!ってか、何を付けるつもりだったんだ?」

「…不動の術をかけて凍らすつもりだった。今やっても良いんだが、使える事が分かったから止める事になったんだ」

神様は平然と言った。

「……あんた、本当に神様か?偽ってんじゃねぇ!!神様は…神様は…もっと冷酷だ!!」

「…は?」

「そんな事言う時に平然としてられる人じゃねぇ!!もっと、冷酷にニヤニヤニヤニヤ笑うんだ!!」

「…フフッ。おっかしいね!あんた。でも、邪魔なのよ。死んでちょうだい『Thousand curse』」

「!ヤ…バッ…」

Thousand curseとは、世に知れ渡る全ての呪いを身に受ける特一級の禁断魔術。

特一級とは、全ての禁断魔術の中で一番危険な魔法の事をさす。

「…〜ッ!!」

例えようの無い痛みと精神的なダメージが身体を蝕んでいく。

「それ、あと1分続くから」

偽神様・ダーテはそう言った。

「じゃあね」

そして、去って行った。

「ぁ…」

プツンと意識が消えた。
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