キアギス 続
「起きた?貴方には此処で死んでもらうわよ。状況は自分で把握出来るでしょ?」

「誰だ、テメェ!!」

「ダーテ・クスルザンよ。じゃあね…♪」

「…ダーテが…女ぁ〜?」

その頃、柚は…

「此処が中央塔か…」

目の前にそびえ立つ塔は先が見えない程高かった。

「首を洗って持ってろ。切り落としてやる」

柚は中に入った。

「罠とかあるんだろうなぁ〜」

と、言いながらブラブラ歩き、階段を探した。

「そこのお方。王様がお呼びです。来て下さい」

暗闇の中から不意に話し掛けられた。

「……一騎打ちか。受けてやろうじゃん」

「では、こちらに…」

と、誰かが言って消えた。

そして、暗闇に光の道が出来た。

「ハハッ…。行くしかねぇって事か…上等じゃん!!」

歩いていくと通り終わった所の光が消えて行った。

「♪子が生まれ…大人になり…親となる…。命のサイクルは止まらず…このサイクルから…外れる者はいない…。地獄も天国も…必ずサイクルがある…。だから、恐れないで…安らかなる永遠の眠りを…。…この世で生を受けた事を…後悔しないで。静かな眠りへ導け…」

柚は歌いながら進んだ。

「♪消えゆく命…生まれない命…永遠の神…。全ては我々の為に…。我々の犯した罪を許したまえ…。神よ。罪深き我々を許したまえ…。お守り下さい…我々がこれ以上罪を重ねないように…。我々を…救い護りたまえ、大いなる神よ」

上り詰め先には扉があった。

が、自動的に開いた。

「今のは一種の賛美歌だね。しかし、神を讃える歌を歌うとは…ね♪」

「そうだな…。可笑しいよな…」

「(なんて悲しそうな顔をする。こいつにはこんな感情は無いはずだ。…もしかして紗月達と長くいたせいで感情が芽生えた!?)柚よ。お前は今、怯え震える兎を無表情の冷酷な目で殺せるか?」

「………あぁ」

先程まで、とても感情のあった目が冷酷一つとなった。

「やはり、所詮は悪魔か!」

「…そうだね。ねぇ、もう良い?早く殺りたいんだけど」

「あぁ、来い悪魔!!」

王は構えた。

「知ってる?さっきの賛美歌は呪術としても使われてるんだよ?」

「なにっ!!?」
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