キアギス 続
「ところで、柚。一国の名前聞いたか?」

「あっ!聞いてない…。どうしよう…」

「情報収集しかないな…」

「うん」

俺達は飛ぶのを止めて、情報収集に取り掛かった。

「すみません。少し教えて欲しい事があるんですが…」

俺達は比較的優しそうな人に話し掛けた。

「……ダーテ様が待ってる……行かなくちゃ…」

彼女は虚ろな目で言った。

「えっ…?あの……」

「時間が……早く…」

その時…

『ウェルスタンの皆さん!!只今からダーテ様による演説が始まります!!場所はマジックホールです!!』

と、言う放送が入った。

マジックホールとは魔法の練習の場で、どんなに極貧の村でも必ずある、国が指定した公共施設だ。

「ダーテ様って言ったね」

「あぁ、マジックホールか…」

「罠かな…?」

マジックホールでは、怪我人が出ても自己責任なのだ。

死に至る怪我をしても自己責任だから、殺人しても罪に問われない場所なのだ。

まぁ、魔法以外で殺されていたら罪に問われるんだけど…

「信者が多いから襲われたら対処出来ないよ…。マジックホールの前で終わるのを待った方が良さそうだね」

「そうだな」

俺達はマジックホールに移動を始めた。




「皆さん!!今日は私の演説にお集まり頂きありがとうございます!!さて、今日は私の野望を言いたいと思います!!私は…」

ダーテの演説が始まった。

その時、俺達は何故かマジックホールの屋根にいた。

何故屋根に居るかって?

それは…

「兄さん!!黒い羽根の天使!?じゃあ…」

「掴まれ!『ソネ゛(飛べ)』」

紗月は俺の言う事を最後まで聞かずに屋根の上に飛んだ。

「じゃあ、無かった。って言ったのに…」

俺が間違えた人達は、黒い羽根のレプリカを付けて歩いてる普通の人だった。

「なんだ…違ったのか…。飛んじまったよ…」

と、言う感じで屋根に上で演説が終わるのを待つ事にした。
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