キアギス 続

檻の中…新たな殺し…作戦

「この国を廃除する」

柚は走り始めた。

刀を振り回しひたすら走った。

「(あと、一つで完成する。あと少しの辛抱…。犠牲は少ない方が良いよな。出来れば乳飲み子は助けたい…)でも、殺さなきゃな…」

そう呟くと…

「殺すのが嫌なのか?」

と、小人に話し掛けられた。

「…小人?珍しい…」

紗月はまじまじと見てしまった。

「見世物じゃない!!」

小人は紗月の眼を突こうとした。

「うわぁ!って……」

しかし…

背伸びしても…

ジャンブしても…

届かなかった。

「…ちっさ」

「ちっさく無いもん!!」

十分小さかった。

背丈は大体膝よりちょっと下ぐらい。

「リーラーにしてはおっきい方だ!それにお前等が大きすぎるんだ!!」

リーラーとは小人の事。

「リーラーは基本それくらいの大きさだろ?それより邪魔すんな。切るよ?」

「切れるもんなら切ってみやがれってんでぇい!!」

リーラーは目に涙を浮かべ、カタカタと震えながら言った。

そんなリーラーを見て柚は剣を振り下ろした。

「ひゃあっ!?」

「…バカ」

柚は小さく言った。

剣はもちろん寸止め。

「騙したな!!卑怯者」

「…死ななかっただけ感謝しろ」

柚は鼻で笑って再び走り始めた。

「待てよ!!この悪魔!!」

リーラーはそう言って消えた。

「悪魔か…。今の俺にはお似合いだ」
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