キアギス 続
一方紗月は…

少し遡り…

「柚?どこ行ったんだ?」

「兄さん!?この街に入っちゃ駄目だ!!」

柚の声は聞こえるが姿が見えない。

「柚?柚!!」

しかし、それ以上返事は返って来なかった。

「はぁ〜…。暑いなぁ〜」

俺は、焼けるような地面を掘った。

「あぁ、ようやく冷たい土が…」

俺は横穴を掘り始めた。

「……〜ッダァーッ!!!サラサラし過ぎて横穴が掘れねぇ!!」

「何かで固まれば良いんだが…。あぁ、そうだ♪『カラロムユ!シエサナヘム(雨よ降れ!地を固めよ)』」

サァーッと雨が降り始めた。

「雨降ったら普通に涼しいじゃん。…出るか…」

俺は掘った穴から出ようとした。

ボロッ……ボロッ…ボロッ

…登れない

「何だよこれ!!手をつくとこ、つくとこボロボロと!!」

「あらあら、大丈夫?」

「アハハッ!!大きな池が出来そうね。雨強くなんないかな?」

「はしゃぎすぎよ。でも、出れないんじゃないの?バカね」

穴の上に二人の少女がいた。

「まぁ、邪魔だから、死んでね?」
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