【短編】幼馴染達のとある1日
とある一日
幼馴染の風呂上りを盗撮した日のハナシ
ガチャン、
朝ドアを開けて、視界の上の方に黒髪をとらえたとおもうと、そいつは「…あれ、」とつぶやいて
「……なんで"みー"、マスクつけてんの」
私の変化に最初に気づいたのは、幼馴染のカズヤ。
まぁ、学校行く前なんだから最初なのは当たり前だけど。
「カゼ」
「うわ、うつる」
ぺしん、と188センチのノッポ野郎は自分の口元に手のひらを当てる。
小学生か。
「てか、熱とかは?」
「んー、鼻とのどだけだからしんどくはない」
「ふうん」
と、相槌を打ちながら幼馴染は私の額に手のひらを当てる。
冷たい!
「ほんとだ、熱は無いみたい」
「カズヤ、手え冷たい」
ふふん、と笑って歩き出す。
私も無言で、それにならう。
「ぶぁーっくしゅん!!」
「お前もうちょっと音抑えろよ」
低血圧の二人が交わした、
いつもより会話の多いとある朝。
< 1 / 37 >