【短編】幼馴染達のとある1日
「やだよめんどくさい」
「………」
足を避けるように上に教科書を開いて背もたれに持たれながら覚える私。
ジトーっとこちらを指すような視線を感じるが、無視無視。
「暇。」
「……」
えーっと、claimが……「ひま」
allowが……「みー」
adopt…「聞いてんのか」
cer…「構えって」
……「ばーか」
……………バタバタ
「いたっいたいいたい!」
ガン無視で単語を覚える私に、とうとうカズヤが急に足をバタバタさせる。
教科書までパタパタして覚えるどころではない私は堪忍の緒が切れ、教科書の端っこでみぞうちをダイレクトアタック。
「ウッ…………」
パタリ、とおとなしくなった幼馴染に満足した私は、ようやくおとなしくなった足の上に教科書を広げて単語テストの勉強をするのだった。
「2人ともーご飯の用意ができたわよー」
「あ、はーい。
ほらカズヤもさっさと起きる」
「…………」
さっきの教科書アタックでご機嫌斜めな幼馴染は眉間にしわを寄せてそっぽを向いている。
イライラしていた私は躊躇無く頭をたたく。
「あんたがどかないと私が立てないでしょ!」
「いて!」
なに考えてるのかわからないカズヤだが、たまに頭は小学生なんじゃないかって思う。