【短編】幼馴染達のとある1日


もぐもぐ。



「そういえば二人とも、今年は同じクラスだったっけ?」


話しかけられ顔を上げると、にこにこしたカズママがこちらを見ていて、


「あ、同じじゃなくて隣のクラスだよ。
けど移動教室で二つくらい重なってたかな?」



「化学とリーディング」


ぼそっとカズヤが付け足す


「あ、そうそう」


「やだーじゃあ今年こそは授業参観見に行こうかしら」



「来んな」



「なによもうー。
恥ずかしがってんじゃないわよ。
というか、美也ちゃん。
この子学校でもこんな暗いの?こんな子でちゃんと友達いるのかしら…」


く、暗い………



「おい
みー、笑うなよ」



「うっさい根暗カズヤ」



「………」



無言の責めには気づかないふり。



「友達はカズヤもちゃんといるよ。
それより、まぁカズヤがめっちゃ性格よくて明るい奴だったらたぶん今以上に女子がうるさいだろうからこのままがちょうどいいと思う…」

思わず本音が漏れる。


これ以上ファンを増やさないでくれ、頼むから。
幼馴染という役職は周りが思う以上に大変なんだから。




「あ、やっぱりこの子モテるの?」



むふ、と含み笑いを漏らすカズママ。

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