【短編】幼馴染達のとある1日







「風呂入ってくる」



「あ、ちょっと待って、」



ご飯が食べ終わってもまだしゃべり続ける私とカズママの横で、ぼそりとカズヤがつぶやく。


それに私は、



「お風呂あがったら電話でもいいから私とこに連絡してくれない?
そっちに行くから」


「は?なんで?」



「写真撮りたいから」


はぁと、
とニマニマしながら語尾に聞こえるようにあえてそう言ったらカズヤは苦虫でもつぶしたような顔をして



「……なんで」



「実は今日友達に"カズヤの入浴シーンとって(はぁと)"っていわれたんだけど全裸はさすがに無理だから風呂上りでって」


「・・・・・・」


無言のカズヤに対して私はにっこりと笑う。

うん、いま一番いい笑顔してる、自分。



「・・・俺写真苦手なんだけど」



「まぁまぁ、いいじゃん。」



「美也ちゃん、それ一枚欲しいからおいててくれない?」



「あ、ぜんぜんいいですよ~」




「おい」



カズヤの意見は受け付けませーん。
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