【短編】幼馴染達のとある1日
そんな幼馴染を持つ私だが、来週の木曜日、一年に一度の記念すべき日が待っていた。
「そういえばさ、来週カズヤ誕生日だけどプレゼント何がいい?」
「べつにいらないけど」
「それは聞き飽きた」
むしろいまこのカルピスがあれば何もいらないというかのようにうれしそうに飲んでいて。
(私がそう見えるだけで、実際にはいつも道理の無表情だけど)
うんざりしながら私より二十センチ上にある顔をジトリとにらみつける。
「じゃあパズル」
「えーまたぁ?
ほかになんかないの?」
「つか別にほんとにいらないんだけど。
普通にみーとカレー食って過ごすだけでいいし」
「そっ・・・それはうれしいけどー・・。
やっぱなんかしたいじゃん!」
なんかちょっと照れるんですけど。
「しつこい。
もうこれ飲んで黙っとけ」
「むぐっ!?」
突然カズヤはカルピスを私の口元に突っ込んできて、必然的にストローをくわえることになった私はしゃべることもできず無言で抗議する。
「あ、ストロー噛むなよ」
「ふん!」
(そこまで言うなら、今年は絶対サプライズしてカズヤを喜ばせるんだから!)
ズズズズズズ・・・
「あ」
ひそかにそう決意しつつ、けれどやっぱり腹立つのでぽつりと呟くカズヤをよそに勢いよくカルピスは全部飲み干してやった。