【短編】幼馴染達のとある1日




私の席にどかりと座ったところで、


「……あ、これまだ持ってたの」


「ん?なにが?…あぁ、カズヤの旅行のお土産!
そりゃあ、まだって言ってもまだ去年もらったばっかじゃん」


カズヤが筆箱についているそれに気づく。
それ、とは北海道に家族旅行に行ったカズヤが買ってきてくれた、某北海道のいかがわしいキャラクターのストラップである。

つけて初めのころは友達からさんざん突っこまれたのだが、カズヤからのお土産と聞いた途端欲しい欲しいとねだられ。
今ではプレミアがついているこのストラップ。

趣味は抜群に悪いがそれもカズヤらしい。



「筆箱につけるくらいだったらもっと考えて選ぶんだった」


「どうせ考えたところで変わんないでしょ」


カズヤのセンスはもはや変人の域である。
服だって私と買いに行かなかったらよくそれで外出できるなと思えるような服を着る男だ。



「…あ、そうだ。
今度また服買いに行こうよ。もうすぐ冬の衣替えもしなきゃだし。」


そこでカズヤの誕生日プレゼントも買えるかもしれないし、とこっそり思いつく。
ちなみに、例年女子からのあふれるプレゼントには眉をしかめるくせになぜか私のプレゼントはえらく喜ぶ
何がほしいのか聞いたら答えは決まって「いらない」の一言なのに



本当、幼馴染ながら何を考えているかまったくわからない。




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