【短編】幼馴染達のとある1日










………タタタタタタッ…




「カズ!!ごめん遅れた!」


「べつに。
俺も時間つぶして今来たばっかだし」


思いのほか時間が延びた委員会を終えた私は、すぐに校門前で待つカズヤのところまで走って。
ハァ、ハァ、と息が切れる。




「ほんとごめん!
代わりに何かおごるか…「カルピス」



(まだ言い終わってないんですけども。)



「……はいはい、白桃カルピスね。」



「…………」



いつもむっつりした無愛想な表情が気のせいか少し口元が緩んでる。


思わずこっそり、
(カルピスで許すとは…安い奴め。)
なんて考えるけど。



実際、時間が延びそうだと思って先に帰っててと連絡したのにカズヤは何も言わず待っててくれて。


(この前ホームルームで不審者が出たって聞いたからかな)



あまり口数も少なくて、無愛想なんて言われてるけど十数年幼馴染をやっている私はカズヤが人一倍優しいことを知っている。



(絶対言わないけど。)
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