【短編】幼馴染達のとある1日



「カズママ、今年カズヤになにあげるの?」


またも二日連続でカズヤ宅に晩御飯をご馳走になりに来たので、ついでに誕生日プレゼントの探りを入れようとキッチンにいるカズママに話しかけた。

ちなみにカズヤは「カルピスが呼んでる」といってコンビニへ行っている。



「それがまだ決めてないのよ、あの子何もほしがらないし…」


「だよねぇ、あいつほどプレゼント選ぶのが難しい奴いないし…」


しかも渡した後のリアクションまで薄いと来た。


「美也ちゃんも悩んでるの?」


「あ、あーはい、私もなんですけど、友達から質問攻めで…」


げんなりした私の顔から察したらしい、くすくすと笑うカズママ。


「ほんと、物好きな子がおおいのねぇ。中身はあんななのに」


相変わらず息子に対してひどい言い草である。


「ですよねぇ……」


私もだが。






「ただ、まぁ本人が毎年恒例のカレーが食べたいとは言ってたんで、それは用意しておこうと思ってるんですけど」


「あら、そうなの?
じゃあその日は晩御飯任せてもいいかしら?」


「むしろ、キッチン使っても大丈夫ですか?」


「そんな、もちろんよ。
いつでも使ってくれていいのよ?」


「ハハハ……」


カズママは隙あらば私を嫁入りさせようとしてくるので、私は冷や汗混じりに空笑いで済ましておいた。
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