【短編】幼馴染達のとある1日



ガチャリ


玄関のドアの開いた音が響く。
どうやらカズヤが帰ってきたようだ。






「おかえり~」

リビングに入ってきた幼馴染を見るとえらくテンションが低い。
どうしたのか聞く前にポツリと一言。


「白桃カルピスが無かった…」


「…あれ期間限定だっけ」


「買いだめしておけばよかった……」


ずーん、と落ち込むカズヤの手にはコンビニの袋にこれでもかというほどのカルピスが入っている。6本ぐらいだろうか。


ただ、カルピスについてはもはやツッコミすぎてこちらも飽きてしまったので何も言わない。カズママも何も言わない。



のそのそと歩いて冷蔵庫に七本(予想より一本多かった)のカルピスを入れているのを見つつ、ふとこの前言ったことを思い出した。


「そういえばカズヤ、この前言ってた服だけど、ちょうど明日土曜日だし買いに行かない?」


「あ、ちょうどよかった。
この前整理していたんだけど冬物大分少なかったからカズヤ、買ってきなさい。
おこづかいあげるから。」


「わかった」


返事があまりに声が低い。


「あんたまだ白桃カルピス根に持ってるの…あ、ちょっと!」


「いて!」


子供かと思いつつ、当たり前のようにソファにすわり、当たり前のように私のひざに足を置いてきたので無言で床に落としておいた。


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