【短編】幼馴染達のとある1日
徒歩10分ほどで駅に着き、改札を通る。
隣の幼馴染に大して集まる女子たちの視線に、無意識に早歩きになっていたらしい。
つん、と袖を引っ張られる。
「みー、まって」
「あ、ごめん」
振り向くと私より20センチは高いはずなのになぜか上目づかいかのように見られる。
その顔は反則!!!!
「次、十分後に急行来るからそれ乗ろう」
ホームに来たところで、案内板を確認する。
「わかった」
「…………」
「…………」
そわそわと吹いてくる風から、冬が近づいてくるのがわかる。ちょっと肌寒い。
人がまばらなホームで、空いているいすに座り二人ともボーっとする。
何年も一緒にいるとにぎやかに話すほうが珍しく、こうやって二人してボーっとしているのが普通になった。