【短編】幼馴染達のとある1日
そういえば今日はカズヤの誕生日プレゼントもレクチャーしないといけないんだ。忘れてた。
去年は確かパズルで、ちょっとしたイタズラで一番難しい絵柄の星空一面の絵をあげたっけ。
私がプレゼントしたくせに、なぜかカズヤは私の誕生日に完成したものに、わざわざ額縁に飾って私にくれた。
そのときは迷惑だったのかなんて問い詰めたりもしたけど、『この絵、綺麗だし飾るならみーの部屋のほうがいいかと思って』と言われて引き下がったんだけど。
ブワッ………
「う、わっ!」
急に強風が吹いて、髪が視界を覆う。
「あ、」
「なに?」
これでもかというほどぼさぼさになった髪の毛を必死に手櫛で整える私の隣から、何かに気づいたような声が聞こえて、
「今みーの匂いすごいした」
「そっ………そういうこと普通に言うな!」
「みーが聞いたんじゃん」
やっぱり聞きなおさなきゃよかった。