【短編】幼馴染達のとある1日





「ただいまー」



「あ、ちょうどよかったあんた。
これカズくんとこに持って行ってくれない?」


「…なにこれ」


「いなりずし作ったんだけどねぇ、ちょっと多く作りすぎたから」



「いや多すぎでしょ」



両手で抱えた大きなお皿(…いや、お盆?)にはいなりずしがこれでもか並んでる。



「あ、あんたのぶんも入ってるから」



「え、なんで?」



「私もうすぐお父さんと出かけてくるからお向かいにご飯よばれてきなさい」



「なんて横暴な…」



「カズくんのママにはもう行ってあるから。
ほら、はやくはやく」



「今から!?
帰ってきたばっかなんですけど…」



「どうせ家いてもだらだらするだけでしょ?
ほら、さっさと行く」



たった今帰ってきたばかりの娘を早く早くと言わんばかりに背中を押して追い帰す母。


ひどい母親だ。





「……あ、先に部屋着きがえてからでいい?






それとカメラ出してくれない?」
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