それでもキミが好きだから…
ー慎吾sideー
「へー。」
「もっと驚いてよー!」
俺は今、母さんから明後日から海外で働くという話を聞いた。
「んで?俺はどうすりゃいいの?」
「もちろん、慎吾はお留守番よ~♪どうしても寂しかったら、万里南さんの家に行けばいいわよ♪」
「万里南さんて、誰?」
「木下万里南さんて言うんだけど、その人の娘も慎吾と同じ学年にいるはずなんだけど……」
「もしかして、みぃ?」
「そうそう、みぃちゃん!だから明日、みぃちゃんに相談してみ?」
「…はーい」
『LaLaLaLaLa~♪』
母さんの携帯の着信音が鳴った。
「はい、もしもし。あ、万里南さん?」
万里南さんってことはみぃの母さんか。
「え!?本当に!?私は別にいいけど、万里南さんは大丈夫?」
「みぃちゃんはしっかりしてるから大丈夫よ~。じゃあ、バイバイ。」
一体、なんの話だ?
みぃがしっかりしてる?
そんなはずないだろ!
あの、英語19点女がか!?
優しいけど、しっかりは…してないよな?
「慎吾ー。」
「なに?」
「私達、明日から海外に行かなきゃいけなくなっちゃった…」
「はぁ!?」
「よく考えてみると、明後日から海外で仕事なのに明後日に家を出たら間に合わないな~って思ってさ♪」
「まぁ、いいや。んで?みぃの母さんと一緒に行くの?」
「そうよ~。みぃちゃんは、1人でいるのが苦手なんだって。だから万里南さんがみぃちゃんにこれから謝るらしいよ~」
「へー」
あのみぃが1人でいるのが苦手?
でも、みぃが1人でいるのって見たことねーかもな…