それでもキミが好きだから…
「みぃは、清潔な人じゃないよ!みぃの部屋の汚さには驚いたよ…。」

「えっ!?奈穂って、みぃの部屋行ったことあるの?」

「うん」

「へぇー。いいなぁ。私も行ってみたいなー。ねぇ、そういえば、みぃって、自分の可愛さに気づかないぐらいの天然ちゃんだよね~♪」

「うんうん。」

「へぇー。」

「だって、告白されるたびに、『なんで私に!?可愛くないのにー。嫌がらせかなぁ?』って言ってるもん。」

と、三上が言う。

「あはは、みぃらしいよ。でも、メッチャ優しいよー♪」

「へぇー。」

「あっ、みぃは優しいけどキレればメッチャ怖いから気をつけてね!」

「おぉ。サンキュー。」

~キーンコーンカーンコーン~

チャイムが給食タイム終了を告げた。

ふぅー。

やっと、昼休みかぁー。

俺は、昼休みをりいとと過ごすことにした。

そんなとき、

「杏~、波留夏~、図書室いこっ!」

「「いいよー」」

と、みぃ達の会話が聞こえた。

みぃは、図書室に行くのかぁ。

俺も、行きたくなってきた。

「なぁ、りいと。俺らも図書室いかねぇー?」

「え?あー、いいけど。あのさ、拓人って、みぃのこと好きなの?」

「好きじゃねーよ。俺が好きなのは、ゆうらだけだよ。」

そう、俺の好きな人はゆうらだけ…

俺は、自分に言い聞かせた。

それなのに、ゆうらを好きなのに、みぃのことも気になる。

気になって仕方がない。

好きなんじゃない。気になるだけ。

俺は、自分にそう言い聞かせた。
< 13 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop