それでもキミが好きだから…

俺は、体育館に入るなり、キョロキョロし始めた。

ゆうらを見るためだ。

やっと見つけたゆうらは、楽しそうに他の男子と話していた。

ゆうらは、モテるからなぁー。

俺は、仕方なくゆうらを見るのを止めた。


入学式の席の隣は、市橋理衣斗(いちはし りいと)だった。

りいとは、俺の教室の席の後ろでもある。

りいとと話してみると、結構いい人だった。


友達を作るのが苦手な俺がこんなに早く友達を作れるだなんて・・・。

自分に感心していると、先生が

「道越拓人(みちごし たくと)さん」

と言った。

「は、はい!?何ですか?」

「タクトさん、話聞いてなかったんですか?名前を呼ばれたら、起立するんですよ!」

先生がそういうと、皆が笑った。

俺は恥ずかしかったけど…。

「さっき、体育館で間違えた人~!」

と後ろから声がした。

絶対、俺の事だよなと思い、振り返った。

「ハンカチ、落としましたよ~!」

そこにいたのは、なんとみぃだった。

「あ、ありがと。」

「ご、ごめんなさい!!まだ、名前分かんなくて…。同じクラスだってことは分かっていたんですけど…。本当にごめんなさい!」

「へ?あー、いいよ。気にしてないし。ちなみに、俺の名前は、道越拓人だよ。よろしくな。」

「き、木下美依です。よろしくお願いします。」

「では、失礼します。さようなら。」

みぃは、そう言って、友達の所に行った。

「ア~ヤ~!一緒に帰ろ~♪」

みぃは、元気に姫宮の所に行った。

さっき、俺に接してきたのと、態度変えすぎじゃねぇ!? 

と思いながら、友達と帰宅した。
< 4 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop