それでもキミが好きだから…
俺は、体育館に入るなり、キョロキョロし始めた。
ゆうらを見るためだ。
やっと見つけたゆうらは、楽しそうに他の男子と話していた。
ゆうらは、モテるからなぁー。
俺は、仕方なくゆうらを見るのを止めた。
入学式の席の隣は、市橋理衣斗(いちはし りいと)だった。
りいとは、俺の教室の席の後ろでもある。
りいとと話してみると、結構いい人だった。
友達を作るのが苦手な俺がこんなに早く友達を作れるだなんて・・・。
自分に感心していると、先生が
「道越拓人(みちごし たくと)さん」
と言った。
「は、はい!?何ですか?」
「タクトさん、話聞いてなかったんですか?名前を呼ばれたら、起立するんですよ!」
先生がそういうと、皆が笑った。
俺は恥ずかしかったけど…。
「さっき、体育館で間違えた人~!」
と後ろから声がした。
絶対、俺の事だよなと思い、振り返った。
「ハンカチ、落としましたよ~!」
そこにいたのは、なんとみぃだった。
「あ、ありがと。」
「ご、ごめんなさい!!まだ、名前分かんなくて…。同じクラスだってことは分かっていたんですけど…。本当にごめんなさい!」
「へ?あー、いいよ。気にしてないし。ちなみに、俺の名前は、道越拓人だよ。よろしくな。」
「き、木下美依です。よろしくお願いします。」
「では、失礼します。さようなら。」
みぃは、そう言って、友達の所に行った。
「ア~ヤ~!一緒に帰ろ~♪」
みぃは、元気に姫宮の所に行った。
さっき、俺に接してきたのと、態度変えすぎじゃねぇ!?
と思いながら、友達と帰宅した。