それでもキミが好きだから…

「先生、完成しました!」

と、言う声が教室中で響く。

まだ完成していないのは、私達5班と杏や優太達のいる4班だ。

「ねぇ、班の名前何にする?」

「んー、5班だからゴハンで良くない?」

「おー!さすが華恋、ナイスアイディア!」

結局、私達の班の名前はゴハンになった。

「あっ!そういえば、誰が班ポスター貼りに行く?俺、高いところ苦手だからムリ。」

と、慎吾が言った。

「はぁ?男なのに弱いねー(笑)」

私がそう言うと、

「じゃあ、みぃやれよ!」

と、慎吾が言った。

そんなに期待されていたら、断れないじゃん…。

私、高所恐怖症なのに…

「いいよ……。じゃあ、私が貼るよ…」

「おー!ガンバー」

そんなこと言われたって、怖いものは怖いよ…

絶対にムリだと思っていたら、

「いいよ?俺やるよ?」

と、タクトが声を掛けてくれた。

しかし、皆の期待を裏切るわけにはいかない

「ううん、大丈夫だよ…」

「そんな事言ったって、足震えてるぞ?みぃ、高所恐怖症だろ?」

「……う、うん」

「やっぱりな。良いよ、俺やるから降りてきて?」

「タクト、ありがとう…」

その後、慎吾が私に謝ってきた。

「みぃ、ごめんな?高所恐怖症だと知らなかったから…」

「いいよ。タクトが代わりにやってくれたから。」

タクトは背が低いから背伸びしないと届かないらしくて、背伸びしてやってくれてる。 

本当にありがとう。

私は、それ以来タクトと話したりするとドキドキするんだ。

緊張するとかじゃなくて多分、恋愛感情で……
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