それでもキミが好きだから…
私は、さっきの事をタクトに言おうと思って授業が終わってから、タクトを呼んだ。
「タクトー。さっき、木乃香ちゃんに呼び出されたよー♪」
「はぁぁぁ!?それで、木乃香の所に行ったのか?」
「うん。廊下に来てって言われたけど『すみません。タクトに水野木乃香さんが来ても行っちゃダメだと言われているのでムリです。』って、断ったよ。」
「え!?木乃香に俺の事、言ったのか?」
「うん?ダメだった?」
「別に、ダメって訳ではないけど…」
「何かあったの?」
「あぁ。」
そう言って、タクトは全てを話してくれた。
木乃香ちゃんと付き合っていたけどゆうらの事が好きだからフったこと。
昨日、私の事を何かするとか言っていてタクトが不安だったことなど。
「タクト、私の心配はしなくても大丈夫だよ?まず、木乃香ちゃんと仲直りしたら?」
「いや、木乃香が言う仲直りは付き合うことだからそれはムリだ…木乃香は何をやりだすか分かんないから絶対、呼び出されても行くなよ?」
「うん。分かった!」
私は、タクトが私にこんなに優しくしてくれているから少しだけ、木乃香ちゃんに感謝している。
しかし……
そんな時に事件が起こった。
帰りの会が終わってトイレに行こうとすると、突然腕を捕まれた。
「えっ!?木乃香ちゃん?何!?」
「うるさいわね!とにかく来なさい!」
木乃香ちゃんはそう言うと私を理科室に連れて行った。
「少し可愛いからって調子に乗っているんじゃないわよ!」
「木乃香ちゃんのほうが可愛いよ?それに調子に乗ってないよ。」
「どう見ても調子に乗っているじゃない!タクトと付き合ってるくせに!」
「え?タクトと付き合ってないよ?」
「はぁ?」
「だって、私の彼氏優太だもん。」
「はぁぁぁ?よくも、私に恥をかかせてくれたわね!」
そのとたん、木乃香ちゃんが私のことを殴ってきた。
私は、どうしたらいいか分からなくなって泣いてしまった。
「もう!うるさいのよ!」
そう言って、また私を殴ろうとした。
ヤバイ…!!
私は、怖くて目を閉じると
「木乃香、いい加減にしろ!」