それでもキミが好きだから…

「タ、タクト!?何でここに?」

と、木乃香ちゃんが言った。

「『何で?』じゃないだろ!机に鞄置いたままみぃが居なくなったから、3組行って『木乃香いるか?』って聞いたら木乃香も鞄置いたまま居なくなったって言ってたから学校中探し回ったんだよ!」

「もういい!タクトなんて嫌いよ!」

「嫌いで結構。」

タクトがそう言うと木乃香ちゃんは泣きながら理科室を出て行った。

「みぃ、大丈夫か?だから、木乃香には着いていくなって言ったのに…」

「ごめんなさい…突然、木乃香ちゃんに腕捕まれたから……」

「ってか、みぃ。その傷大丈夫か?」

「うん。一応大丈夫。」

「帰り、優太と一緒に帰るのか?」

「ううん。1人だよ?」

「なら、俺が送っていくよ。木乃香が待ち伏せしてれば大変だから。」

「え?いいの?ありがとう♪」

「おぅ!」

タクトはそう言って家まで送ってくれた。

「タクト、ありがとね♪」

「おぅ!じゃあな。」

「うん、バイバイ」

ヤ、ヤバイよー!

優太とも一緒に帰ったことないのに…

でも……

メッチャ嬉しかった。

やっぱり、私はタクトに恋しているんだ。

でも、これは私だけのヒミツ。

優太にバレたりしたら大変だからね…

明日から、皆に気付かれないようにがんばらなきゃ♪

そう思いながら明日の職場見学の準備をした。

明日が楽しみだ。
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