それでもキミが好きだから…
ータクトsideー
一体、木乃香は何をするつもりなんだ?
訳が分からねぇ…
あの木乃香が何もしないで引き下がるとも思えない。
一応、
「もしも、水野木乃香っていう人に呼び出されても行くなよ?」
と、みぃには言ったものの心配だ……
でも、みぃは木乃香に呼び出されて行ってしまった。
着いては行かなかったみたいだけど…
その時に俺のことを言ったらしい…
仕方なく、俺はみぃに全てを話した。
「俺と木乃香は小4~小6の中間辺りまで付き合っていたんだ。だけど、俺は他に好きな人が出来たから別れたんだ。その好きな人、誰だか分かる?」
「うん、ゆうらでしょ?」
タクトは真剣な表情で頷いた。
「だけど木乃香は最後まで『なんで、ゆうらちゃんなの?私じゃダメなの?ねぇ、答えてよ!』と泣き続けていた。だから俺は、『ゴメンな、木乃香…』と言って別れたんだ。だけどその結果に木乃香はまだ納得していない。」
「え?木乃香ちゃんは、まだタクトの事を好きなの?」
「あぁ、多分な…。それで、みぃもウワサで聞いたと思うけど最近ゆうらに彼氏が出来た。だから木乃香は『ゆうらちゃんの事、諦めて私と付き合ってよ!』って言ってきた。だから今、大変な事になってる。」
「へぇー。大変だね…でも、何で私が木乃香ちゃんに呼び出されたりするの?」
「それは、席近くなってからよく話すようになったじゃん?だから木乃香は俺とみぃが付き合ってるって勘違いしてみぃをやつけようとしてる。みぃに優太がいる事を知らずにな…」
俺が言い終わると、みぃは明るい顔で
「タクト、私の心配はしなくて大丈夫だよ?まず、木乃香ちゃんと仲直りしたら?」
「いや、木乃香の言う仲直りはもう1回付き合うことだからそれはムリだ…だから、絶対に木乃香に呼び出されても行くなよ?木乃香は何をやりだすか分からないならな…」
「うん、ありがとう♪」
みぃは笑顔で言った。
その表情ヤバイッッ!
可愛いすぎる…
そんなことより、今は木乃香の事だ。
何が何でもみぃだけは守るぞ…
俺は、心の中にそう誓った。