それでもキミが好きだから…


「それで、叶人が言った命令は『男女各1人ならパスを使ってもいいから好きな人を時計回りに言っていけ』だった。私はラッキーだと思ってパスを使った。そしたら私の1番嫌いな人、小雪が『えー!小雪がパス使う~!』って言い出した。本当は嫌だったけど、こんなことでケンカになるのは嫌だったからパスを譲ったの。だけど私は優太に言うのが怖かったから叶人に『絶対に言うから、私を一番最後にしてくれない?』って言った。それでOKを貰ったから、一番最後に言おうとした。次々と順番が進んで行って、優太の番になって、『俺の好きな人はみぃです。』って言ってくれたの。私は嬉しくなって、胡桃と抱き合って喜んだ。本当は最後に言うつもりだったけど、私は優太の次に言ったんだ。『私の好きな人、優太だよ♪』って。それで今付き合ってるんだ~!あ!長くなってゴメンね…」

「ちょっと、質問していいか?」

と、タクトが言った。

「うん。何?」

「女子のパス使った奴は小雪だったんだろ?なら、男子のパス使ったのって誰だ?」

「えーっと、たしか宏樹だったはず。」

「誰だ?宏樹って?」

「違う中学校言ったから、丘小の人は分からないと思う…」

「えっ!?みぃと宏樹って仲良かったのか?」

と、慎吾が驚いた表情で言った。

「え?うん。そうだけど?」

「だって、宏樹って学校1の不良だった奴だろ?」

「うん♪」

「えー!」

タクトもビックリしていた。

そんなに、宏樹はヒドイ人じゃないのに…

そんな話をしていると、

「後、班新聞の下書き終わってないの、5班だけですよー!」

と、三浦先生が言った。

「ヤバイ!1文字も書いてないよー!」

と、私。

「俺も!」

と、慎吾。

私達は頑張って進めたが私と慎吾が終わらなくて班全員で居残りとなった。

ヤバイよー…

あんなに頑張って優太と付き合えたのに、慎吾とタクトも好き…

本当は優太1本にしなきゃいけない。

それは分かっている。

でも、好きなんだ…

慎吾とタクトの事が好きなんだ…
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