それでもキミが好きだから…

今、思い出したけど、俺もみぃと帰ったことあるじゃん。

木乃香のおかげで。

俺は部活があったから班のメンバーと別れてから体育館へと来ていた。

なのに…

部活に集中できない。

優太とみぃは今頃、2人でLOVE LOVEしてるんだろうな。

そう思うと、全く集中できないんだ。

得意のドリブルも普通に取られる。

そんな俺の異変に気付いたのは…

ゆうらだった。

「タクト、どうしたの?」

「いや、まぁ、ちょっと、色々と…」

「だーかーら、どうしたのさ!」

俺は全てをゆうらに話した。

優太(彼氏)がいるのにみぃを好きになってしまったこと。

木乃香の事件があって、みぃを家まで送って行ったこと。

そして、みぃと優太が今日一緒に帰っているから気になって部活に集中できないこと。

ゆうらは、俺の話を真剣に聞いてくれた。

そして、ゆうらが言った。

「みぃとメアド交換すれば?私もメアド交換したよ?」

「みぃって、携帯持ってんのか?ってか、ゆうらとみぃってなんか繋がりあったっけ?」

「同じ幼稚園だったの。幼稚園の時はいつも『みっちゃん』って呼んでたからみっちゃんが桜小のメッチャ可愛い木下さんだって気づかなかったの!」

「へー。」

「今度、アルバム見せてあげるよ。あ!そうだ。結局、メアド聞くの?」

「うーん。聞きたい。」

「だったら、さりげなくみっちゃんの前で携帯の話をすればいいんだよ。みっちゃん、単純な人だからすぐメアド交換できるはずだよ!」

「おー!サンキューな!あ。そういや、ゆうらの最近できた彼氏って誰?」

「なんで知ってんの!?まぁいいや。6組の早野陸(はやのりく)って人。」

「へー。頑張れよ!」

「うん、タクトもね!」

そう言って俺は家に帰った。

明日が楽しみだ。
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