last jump
「さて、そんじゃ一旦戻るわ。後でまた見に来るな♪」
滝沢が言う。
気がつくと100mHは終わってて、
男子の110mHが準備されていた。
「ウチが戻ってくるまでに終わってたー、なんてことにならんといてや??」
「俺が落とすと思う??」
「思わへん」
そう言って滝沢はニッと笑った。
「そんじゃまた後でなぁ」
大きく手を振りながら、
滝沢はバックストレートの方へ歩いていった。
今のバーの高さは1m85。
残っているのは俺を含めて4人。
確実にあいつが戻ってくる前に2m00まで上がる。
――――ウチが戻ってくるまでに終わってたー、なんてことにならんといてや??――――
思わず拳を握りしめる。
そこまて言うんやったら。
俺は小さく呟いた。
やったろやないか。