サヨナラの哀言葉
あの頃の私と君
今から4年前くらいだったかな。
今より、少し幼い顔をしていた、
私と君。
私は、君のことを、将太君って呼んでいたよね。
「どうした?」
「あっ、と…ノート…出してくれる?」
「おい、皆!ノートだってよ-」
転校してきてすぐの時。
なかなか、皆に声を掛けれなくて戸惑っていた私。
そんな私にすぐ気づいて助けてくれる。
「…ありがとう」
「何が?」
だけど、知らないふりなのか本当に気づいてないのか、いつも気づいていない態度をとる将太くん。
私はそんな将太くんに惹かれていた。
だけど将太くんは皆に囲まれていて、人気者。
私なんかとつりあわない。
ずっとそう思っていた。
なのに、いつの間にか目で将太君を追っていたんだ。
そんなことをしていると、1ヵ月がたった。
それは、席替えの時のこと。
私はずっと将太君のほうを意識しながらくじを引いた。
…将太君、どこの席なんだろう。
「じゃあ移動して―」
そんな先生の声が頭に響いた。
「あれ、隣は香織かぁ。」
そんな時。
大好きな声が聞こえたんだ。
「…将太君…?」
「あぁ。よろしくな!」
あぁ、神様ありがとう。