激甘男子の愛し方
距離と甘い香り‐洸Side‐
「おはよう」
「おはよう」
朝、リビングで制服姿の真子に声をかける。
「真子、洸君、早く朝食食べちゃって」
「あっ、はい。ほら、真子も座れ」
そう言うと、頷き椅子に座る真子。
そこからは黙々と朝食を食べた。
この数週間で変わったこと……
俺が真子の部屋に行ってまで、わざわざ起こさなくなったこと。
朝食を食べている真子と会話がなくなったこと。
そして……
「行こうか。洸」
「あぁ」
いつも触るのが癖だった真子の髪に、触れなくなったこと。