激甘男子の愛し方
「ほんと娘がこんな綺麗に育って嬉しいものですよね」
『ですよね』じゃないわよっ!!
いつからあんたの娘になったのよ!!
「もう!洸!学校行くよ!!」
満足そうに笑顔をあたしに向ける洸の腕を掴んで立ち上がる。
「あっ、その前に、真子忘れてるぞ」
「あっ……うん」
洸は畳の部屋にある仏壇に手を合わせる。
そこにあるのは……笑顔で微笑んでいるパパの写真。
若くしてこの世を去ったパパ。
そんなパパの位牌[いはい]に洸は毎日手を合わせる。
それはとても長い時間で、いつも何をそんなに語りかけているのか気になる。
でも聞いても教えてくれない……
パパがこの世に居たら、洸みたいな過保護になっていたのかな……?