激甘男子の愛し方


「お前さ、このままへたれでいいわけ?」



「いいもなにも、もう無理だろ。真子を泣かせたんだぞ」



「あぁ―っ!なんかイライラしてきた!!」



何だよ。



突然叫びやがって。



「いいか!無理って言葉を使えるのは、実際にその状況を戦った奴だけだっ!」



戦った奴だけ……



「お前は真子ちゃんに気持ちを伝えてもいないんだろ!?まだスタートすらしてないんだよ!!」



「っ……」



そうだ。



俺はスタートラインで、ずっと足踏みをしてた。



「きつくても走りきれよ!それで無理なら無理なんだよ!お前のスタートが遅かったって思え!!」



何だよ。




その変な説教は……



でも……




「今からスタートしてもいいかな……?」




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