激甘男子の愛し方
でもあたしの頭はそれをうまく理解できず、周りの女子の驚いたような悲鳴と、異常に近い大蔵君の顔しか見えなかった。
「お前っ!」
洸があたしから大蔵くんを引き離して、胸倉を掴んだ。
「これで俺も関係あるよな?」
「なっ!」
言い合っている2人を見ながら、あたしはただ茫然と唇に触れた。
あ……たし、キスされたよね?
洸じゃなくて、あいつに……
「なんで……」
「は?」
「なんでキスなんて……」
まだまとまりのつかない頭、で大蔵くんに尋ねた。
そうしないと、頭の中がごちゃごちゃしてまとまりそうになかったから。