激甘男子の愛し方
あの香りの正体が気になるけど、その男の子を追うわけにもいかず、あたしは調理室に向かった。
――ガラッ
「失礼しまーす……」
誰もいないと思うけど、一応小さく挨拶をしてドアを開けた。
……やっぱり誰もいないな。
少しほっと心を撫でおろして、調理室に入った。
冷蔵庫に美知佳にもらったチョコを入れて、調理器具の準備に取り掛かった。
結構準備するのは少ないな。
これなら早く終わるかも。
メモを見直しながら準備していく。
後はボール4つ準備して……
ボールは確か後ろの棚だよね……
――ガラッ
え?
「はぁ―……やっと見つけた」
呆れたように息を吐いて、そこに立っている洸。