激甘男子の愛し方
「何?チョコ?」
「え?」
いつの間にあたしの後ろに来てたのか、しゃがみこんでいるあたしを覗き込むようにして立っている彼。
「あぁ、これ?そう。ここのチョコ!すっごく美味しいんだよっ!」
「ふぅ~ん、そう。好きなんだ」
好き……?
そりゃあもちろん!
「うん!大好きっ!!」
「っ……」
前に一度しか食べたことはないけど、あの美味しさは忘れられない。
……っと、洸を靴箱に置いてきぼりにしてたんだった!!
「じゃああたし帰る!」
チョコの箱の入った紙袋を持ち、調理室を飛び出した。
「ふぅ~ん。大好き……ね」
その呟きと、ほんのり香ったチョコの香りに気付かずに―……