あの日の空を見上げて
俺の無愛想な態度にも麻結は嫌な顔一つせず





にこっと花のような笑顔で微笑むと





『もしかして今日から私たちの家族になる子達??
もう自分の家なんだから遠慮しないでどうぞ。』




と俺達を促した。





頭上には綺麗な青空が広がっていた――





―――これが麻結(まゆ)と俺の出逢いだった。







ねぇ麻結…






俺は運命なんて信じないけど







麻結との出逢いは運命だって信じたい。







深い闇の中にいる俺に差し込んだたった一つの光







壊れかけた俺の心を麻結は優しく包んでくれて







モノクロだった俺の世界に鮮やかな色をつけてくれた。







でも………







光と影は表裏一体








大きな大きな光の裏に







どんなにもがいても決して逃れることができない暗い影が覆っていたなんて






俺は全く知らなかった………







麻結…






俺は少しでも麻結の光となれていたのかな?

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