死にたがりな殺したがり
「今さ、無償に殺したくてたまんないんだ。だから、殺られてくんない?」


「お前頭だいじょうぶか」


「よく言われるー。……ま、いっか。殺られてくんないならさ、殺してよ。アタシのこと」


「とりあえず病院行っとく?」



恐ろしいほどに会話が成り立っていることに俺も驚愕。


にしてもこの少女、今までに何人もの命をあやめてきたようだ。死臭が酷い。


しかし俺は安易に動けない。いくら話の通じる奴といえども、首筋にあてられた爪は俺の首を今にも吹き飛ばしそうだ。


キモオタ男と同じ運命なんて、真っ平ごめんに決まっているだろう。

< 10 / 17 >

この作品をシェア

pagetop