死にたがりな殺したがり
俺が黙って見ていると、少女は外した爪をポイと投げ捨て、ぐしゃりと踏み潰した。


かと思えば、ポケットの中から何かを取りだし掴んだまま、俺にグーを向けてきた。


「?」なんだろうと思い、その手を見つめていると、パッと手を開いて、手のひらに乗ったモノを見せつけてきた。



「これ、なんだと思う?」


これ__少女の手のひらに乗っているその物体は、淡い桜色で、薄く少し固そうなモノだった。



「桜貝……とか?」


「ぶっぶー。これはね、」

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